
バレーボール男子日本代表の佐藤駿一郎容疑者が大麻所持容疑で逮捕された。日本代表選手による不祥事は大きな衝撃だが、一方で近年、大学スポーツ界では大麻問題が繰り返し発覚している。佐藤容疑者の母校である東海大学でも2020年に硬式野球部員による大麻使用問題が明るみに出た。もちろん今回との関連は不明だ。しかし、なぜスポーツ界では同様の問題が後を絶たないのか。過去の事例を振り返りながら、その背景を考えたい。
ココがポイント
日本代表の佐藤容疑者が、代表合宿中に麻薬取締法違反(所持)の疑いで逮捕(略)「25年に活躍し大きな期待を持てた選手」出典:スポニチ Annex 2026/5/29(金)
近年、大学で問題となっているのは部活内でのまん延。多くは「寮での所持や使用」という共通項がある。出典:スポニチ Annex 2025/8/15(金)
運動部は寮などで(略)先輩後輩の縦社会の関係が形成されやすい。先輩に大麻を勧められると断ることができないという構図出典:AERA DIGITAL 2020/10/31(土)
エキスパートの補足・見解
スポーツ界における大麻問題。特に近年は大学での不祥事が目立つ。東海大野球部、近畿大サッカー部、日本大ラグビー部、さらに近年は日大アメフト部や国士舘大柔道部など、競技を問わず名門校で発覚している。
こうした問題について、専門家や研究者が以前から指摘しているのが、「競技中心の閉鎖的な環境」だ。強豪校では寮生活を送りながら競技漬けの日々を過ごす選手も多く、社会との接点が限られやすい。また、上下関係の強い組織では周囲に流されやすい構造が生まれるとの見方もある。
もっとも、寮生活そのものが問題というわけではない。苦楽を共にすることでチームの結束力が高まり、人間関係や責任感を学ぶ貴重な場でもある。だからこそ問われるのは、寮があることではなく、その環境の中で選手たちが社会との接点や主体的に考える機会を持てていたのかという点だ。
今回の事件の詳細な経緯は、少しずつ明らかになるだろう。ただ、大学ひいては日本スポーツ界で大麻問題が繰り返されている現実は重い。選手個人の責任を問うだけでなく、薬物を断る判断力や社会性を育む教育は十分なのか。その土壌について改めて問い直す必要があるのではないだろうか。
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