【ソウル竹次稔】韓国で、豚やイノシシに感染する家畜伝染病「アフリカ豚熱(ASF)」が全国的に猛威を振るっている。今年に入って例年のペースを大幅に上回る9養豚場で感染を確認。人へのウイルス感染はないとされるが、急性型は豚などの致死率がほぼ100%で養豚業に大きな影響を及ぼす。日本ではまだ確認されておらず、農林水産省は「韓国では旧正月の連休があり、人の動きが活発になる」として注意を呼びかけている。 ■【写真】ASFウイルスの国内持ち込みに注意を促す農林水産省のポスター(ホームページから)
韓国では2019年9月に初めてASFが発生し、25年までに累計55養豚場で感染を確認した。農林畜産食品省によると、今年は1月16日に北部の江原道の養豚場で初めて見つかり、今月7日までにソウル周辺の京畿道、南西部の全羅南道、南東部の慶尚南道など全国に拡大。1カ月弱で既に9養豚場で確認される異常事態となっている。
金民錫(キムミンソク)首相は8日、「全国的に発生している厳しい状況。関係機関や養豚農家は危機感を持って対応してほしい」と指示した。
感染を広げているのは野生のイノシシ。気候エネルギー環境省によると、野生のイノシシで陽性だったのは累計約4300頭に及ぶという。感染拡大防止のため、25年10月までに発生の多い江原道などで約51万頭のイノシシを駆除した。
ウイルスが含まれる唾や便などから広がり、感染すると発熱や皮下出血などにより死に至るケースが多い。有効なワクチンはまだ開発されていない。
日本の農水省は、肉製品や衣服、靴などを介して国内にウイルスが侵入する恐れがあるとして、感染確認国から帰国後、養豚場などに近づかないように注意を呼びかけている。
韓国では1月30日、仁川市で牛・豚の家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」も9カ月ぶりに確認されている。
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