学校やオフィスの天井で見かける、無数の穴が開いた“虫食いのような模様”。SNSでも「なぜどこの学校もこの天井なの?」と度々話題になりますが、あのデザインの正体をご存知でしょうか。一見、奇妙にも思える模様には、日本の建築現場を支える多くの機能性が隠されていました。 【写真を見る】なぜ学校の天井は「虫食いのような模様」なの?半世紀以上も日本の建築を支える “ジプトーン” 奇妙な「点」に隠された機能性とは 学校やオフィス、病院などで天井を見上げたとき、虫食いのような、ボコボコとした穴が無数に開いた板が敷き詰められているのを見たことはありませんか? 「子どもの頃、ちょっと不気味だと思っていた」「じっと見ていると何かに見えてくる……」など、記憶に残っている人も多いはず。 一見奇妙にも思えるあの天井、正体は「ジプトーン」という建材。 石膏(せっこう)を原料とする建築材料の製造・販売を行う吉野石膏が、1968年に発売したロングセラー商品です。 発売から58年が経過した現在も、全国の学校、スーパー、病院、オフィスなどで幅広く使われており、過去10年間だけでも1億4,400万㎡超という驚異的な面積が出荷されています。(※東京ドーム約3,080個分に相当) ■吸音性や不燃性…6つの建材としてのメリット どうして、あのような「点がランダムに配置された」デザインなのでしょうか。 吉野石膏によりますと、あの柄は「トラバーチン模様」と呼ばれるもので、天然大理石をイメージしたものだといいます。 しかし、単なる模様ではなく、建材としての様々なメリットが詰め込まれていることが分かりました。 【ジプトーンが選ばれる6つの効果】 (1) 優れた吸音性: 音のエネルギーを吸収し、室内での反響音を抑える (2) ビスが目立たない: ランダムな柄があることで、天井に固定する際のビスの頭が模様に紛れる (3) メンテナンスが容易: 施工後に天井裏の点検や修理が必要になった際、該当する位置のボードだけを部分的に取り外すことができる (4) 抜群のコストパフォーマンス: 製品自体が安価であり、仕上げにかかる費用を大幅に抑えられる
(5) 高い不燃性: 石膏が主原料であるため火に強く、火災時にも安全性が高い (6) 工期の短縮: 製造段階ですでに仕上げられているボードのため、現場での作業時間を短縮できる 施工業者の高齢化や人手不足が深刻な課題となっている建設業界。吉野石膏では、さらに軽量化を図り、高齢者でも施工しやすいジプトーンの開発を進めているといいます。 何気なく見上げていた「虫食いのような模様」の天井には、半世紀以上も日本の天井を支え続ける、たくさんの知恵と技術が詰まっていました。
チューリップテレビ
Hao112 ニュース