2022年、那須川天心戦。敗北と共に武尊選手が明かした「パニック障害」の衝撃から4年。昨年結婚した妻・川口葵さんは、当時の彼を「追い込まれた目をしていた」と振り返ります。引退試合を目前に控えたいま、「家では戦いたくない」と願う夫のために夫婦で作る安らぎの空間で過ごしているそう。極限の闘志を支える、夫婦の絆について伺いました。 【写真】「透明感すごい!」ボンビーガールで上京して1か月、とうもろこしを頬張る初々しい川口葵さん(6枚目/全8枚)
■夫から病名は告げられていなかったが ── 夫で格闘家の武尊さんは、今から4年前にうつ病とパニック障害を患っていたことを公表されました。試合へのプレッシャーやネットでの誹謗中傷などがあった時期で、不眠や過食などさまざまな症状があったと話されています。当時、おふたりは結婚する前でしたよね。
川口さん:おつき合いをしているときだったんですが、夫からはっきりと病名までは言われていませんでした。私自身も発表を見て初めて知った部分もありました。 ── おつき合いしている際に、思い当たる節はありましたか。 川口さん:試合の前は大変そうだなと思っていました。表情を見ても「ちょっと今はあまり楽しめていないのかな」と感じることもありましたし、試合へのプレッシャーから、追い込まれているような目をしているなと思うこともありました。
── 武尊さんはのちにインタビューで「(川口さんが)普段と変わらない態度で接してくれたのがありがたかった」と話しています。 川口さん:つらそうにしているときも私から何があったのか聞くことはなく、夫が話してきたらそれを聞くという感じで過ごしてきました。私自身は、あえて普通にしようと意識していたという感覚はなく、普段通りに一緒に過ごしていました。 ── 薬やカウンセリングなどで症状は緩和していったそうですが、世間に公表されたときはどう思いましたか。
川口さん:病名を公表したときは正直少し安心しました。あまりわかったようなことは言いたくないのですが、夫が公表したことによって、同じ境遇の方が一歩踏み出すきっかけにもなるかもしれないと思いましたし、ひとりで抱え込まずに公表をしたことはよかったのかなって。公表後から症状もだんだん落ち着いてきたように見えました。
■外で戦う夫は「家では平和に過ごしたい」 ── 夫婦それぞれに忙しく過ごしていると思いますが、ふたりのなかで決めているルーティーンなどはありますか。 川口さん:1日の終わりにNetflixを一緒に観ることが日課になっています。ドラマを観ながら今日あったことを話して、1日の中で必ず一緒に過ごす時間を作るよう心がけていて、私もそれまでに家事を終わらせるようにしています。夫は家でピアノを弾くこともありますし、一緒にカラオケをすることもあります。家のなかはリフレッシュの時間にあてて、試合モードと切り替えているようです。
── 夫婦で一緒に歌うとは仲がいいですね。ケンカをすることはありませんか。 川口さん:言い争いをするようなケンカはないのですが、試合前など、いつもよりピリピリしているようなときはありますね。でもこれは仕方がないし当たり前のことだなと思います。そういうときは、飼っている犬が察して、ちょこんとふたりの間に座ってくるんです。犬を抱っこしながら一緒に過ごしていたら、いつの間にか和んでいつも通りの雰囲気に戻っているようなときが多いです。2匹飼っているんですけど、日々癒やしてもらっています。
── すごい!ワンちゃんがふたりの仲を取り持っているんですね。ケンカをしないというのも素晴らしいです。 川口さん:夫は、外で戦っているから家では戦いたくないらしくて(笑)。家では平和に過ごしたいと言っていました。私もその気持ちはわかるので、これからも夫婦穏やかに過ごせたらいいなと思っています。 ── ご主人は、次の試合での引退を表明されていますね。 川口さん:去年、夫から「次で引退しようと思ってるんだよね」という報告がありました。夫がこれまで努力してきた姿を見ていますし、試合前は命懸けで練習に取り組んでいるのも知っているので、この決断を全力で応援したいと思っています。最後まで悔いなく頑張ってほしいですし、私もできる限りのサポートはしていきたいと思っています。
取材・文:内橋明日香 写真:川口葵
内橋明日香
■引退試合を控え、食事で支える妻にも変化が ── 昨年夏に結婚され、川口さんは武尊さんの食事面でのサポートをされているそうですね。テレビで観た食卓は、品数も多く、準備が大変そうだなと感じました。
川口さん:1年通してずっとというわけではないんです。私の自由な時間はもちろんあったうえで、試合前には栄養を考えた食事を出すようにしています。お昼過ぎくらいにスーパーに買い物に行って、夫が帰宅する17時ころまでに夕飯ができるように用意をします。何品か作るのですが、減量ということもあってお野菜や魚がメインになるので、寂しい食卓にならないよう、なるべくおいしそうに見えるお皿を選ぶようにしています。 ── どんな食材を選ぶのですか。
川口さん:私なりに栄養素やカロリーについて調べて、献立を考えています。私も夫も魚が好きなので、赤身や白身問わず魚を選ぶことが多いのですが、痩せすぎないようにお肉を出す日もあります。腸内環境を考えて、ぬか漬けも家で作っているんですよ。あとは酵素玄米も出しています。 何年か前の試合前の期間は筋肉を落とす減量方法だったのもあり、お肉やお魚を食べず、タンパク質を控えるメニューがほとんどだったんです。夫と同じ食事を食べているのですが、私はそんなに運動しないので、私のほうが痩せていってしまったこともありました(笑)。
── 川口さんも一緒に減量を(笑)。結婚後に、生活の面で変わったと思うことはありますか。 川口さん:結婚前にひとりで生活していたときは料理もサボれましたけど、今は毎日しっかり食事を作っています。いつも「おいしい」と言って完食してくれるのはうれしいですね。一緒にキッチンに立つこともありますし、最後の味の仕上げを任せることもあります。 あとは、家族ができたというのは自分のなかですごく安心材料になりました。何かあったらすぐ相談できる相手がいることは心強いです。
Hao112 ニュース