
いわゆる「バブル世代」が定年期を迎える中、60代以上による“シニア起業”が急増している。
帝国データバンクによると、2025年に新設法人を立ち上げた代表者のうち、60歳以上の割合は20.5%と過去最高を更新した。
かつては「定年後=引退」というイメージが強かったが、現在は健康で働く意欲を持つシニアが多い。
企業側で50代から役職定年を導入する動きも広がるなか、自ら事業を始め、地域や社会に新たな役割を求める人が増えている。
ココがポイント
近年は退職したシニア層の起業も増加しており、こうした層が平均年齢を押し上げている側面もある出典:帝国データバンク 2026/2/16(月)
会社員として安定収入を持ちながら、ライフスタイルに合わせて事業活動を行う「サラリーマン起業」は増加傾向出典:THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) 2026/5/5(火)
これまで商業、サービス業を中心に約500の起業を支援。女性やシニア層の割合が多く、多様な起業家を支えてきた。出典:みんなの経済新聞ネットワーク 2026/5/15(金)
定年退職でリタイアしたシニア層の「1人起業」といったスモールビジネス化も進行し、起業の中身は多様化している。出典:帝国データバンク 2026/5/18(月)
エキスパートの補足・見解
大企業を中心に65歳定年制や50代での役職定年を導入している。一方で、平均寿命の延伸や健康状態の改善によって、「まだ働ける」「社会と関わり続けたい」と考えるシニア層は増加している。
近年のシニア起業は、かつてのような大規模な独立開業だけではない。退職後に一人で始める小規模事業や、長年培った経験や人脈を生かしたコンサルティング、地域密着型サービス、趣味を生かした教室運営など、多様化が進んでいる。インターネットやSNSを活用し、少額資金で事業を始めやすくなったことも追い風だ。
また、地域経済へのプラス効果を期待する声も多い。地方では高齢化と人口減少が進むなか、シニア層が地域で新たな店やサービスを立ち上げることは、コミュニティ維持や雇用創出にもつながる。実際、各地の自治体や信用金庫、商工会議所などでは、若者向けだけではなく、シニア向け創業セミナーや創業融資制度を拡充する動きが広がっている。
「人生100年時代」と言われる中、定年後は単なる“余生”ではなくなりつつある。シニア起業の増加は、日本社会の働き方や地域経済のあり方を変える動きとして、今後さらに注目されそうだ。
Hao112 ニュース