
冬の味覚として愛されている「ホタテ」と「カキ」が壊滅的状況に陥っています。海水温の上昇などにより、青森県陸奥湾の養殖ホタテのうち、養殖2年目の新貝の平均へい死率は、去年11月時点で93.3%に達しました。また瀬戸内海のカキも同様の理由によって2025年は9割ほどが死滅しています。
なぜこのようなことが起こっているのか、その背景と現状、そして今後の対策や展望について考えます。
ココがポイント
青森県のホタテが“市場から消えた”出典:TBS NEWS DIG 2026/1/14(水)
「陸奥湾のホタテガイ史上、最悪の状況であり、最大の危機を迎えている」出典:陸奥新報 2025/12/23(火)
水揚げの約9割が死滅? 温暖化の影響で冬の味覚、カキが大ピンチ!?出典:Weathernews 2025/12/13(土)
壊滅的な陸奥湾ホタテ 養殖カキ同様の支援を求める出典:ABA青森朝日放送 2026/1/14(水)
エキスパートの補足・見解
瀬戸内海のカキや陸奥湾のホタテの大量死は、海水温の上昇や植物プランクトンの減少などの気候や環境の変動が、地域の主要産業を直撃した深刻な事例です。広島や兵庫ではいち早く自治体が養殖業者の支援に乗り出し、その後国も養殖カキへの総合的な支援策を打ち出しました。青森でもカキの事例と同様の支援が受けられないかと、県や関係市町村がホタテの安定生産に向けた支援を国に要望しました。
今後も避けられない温暖化による海水温上昇に対して、生産者側も対策を始めています。例えば、福井県の小浜市漁業協同組合は、福井県立大学海洋生物資源学部や地元業者と共同で、高水温への耐性に優れた新たなカキを完成させ、昨年5月に初の試験販売を開始しています。
青森県は沖合での養殖試験による低水温域の活用、稚貝確保技術の開発、プランクトン調査の強化、他地域からの親貝導入支援などの総合対策を実施してきました。2025年春の調査では成育状況が1985年以降最低となり、回復には数年を要する見込みです。
しかし根本的には、気候変動を前提とした養殖技術の革新、耐性品種の開発、産地分散など、持続可能な養殖システムの中長期的な構造改革が必要不可欠です。
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