大相撲の伊勢ケ浜親方(元横綱・照ノ富士)が弟子の幕内・伯乃富士への暴力行為があり、日本相撲協会に事情聴取を受けていたことが27日、協会関係者の話で分かった。伊勢ケ浜親方はこの日、大阪市東成区の部屋宿舎で稽古前に取材に応じ、協会の聴取を受けたことを認めた。 【写真】弟子の伯乃富士…初場所は13日目に足を傷め休場 同親方によると、暴力を振るった後で、すぐに協会に報告するべきだと判断。次の日に伯乃富士、行為があった現場に居合わせた幕内・錦富士に「協会に2人の口からもちゃんと事実を話してくれと。自分がやったことも自分で協会の方に話するから」と伝え、番付発表日の24日に東京・両国国技館で3人で出向いて聴取を受けたという。 部屋の弟子たちにも既に報告し、「責任ない行動を取ってしまった」と謝罪したと説明した。部屋の稽古の指導は続けており「全て協会に事実をお話しして、処分を待っている。これ以上話して、話がこじれるのが良くない。協会からちゃんと答えが出ると思うので、それまで皆さんには待っていただければ」と語った。 また、大阪での稽古に参加していない伯乃富士の現状について、今回の件とは関係なく、先場所を途中休場する要因となった左脚のけがの治療のためと説明。「誤解を招いていると思うけど、靱帯(じんたい)が切れていて、その治療をしているので相撲を取れる状態ではない。あと2~3日したら戻ってくると思う」と明かした。 ◆伊勢ケ浜 春雄(いせがはま・はるお)本名・杉野森正山。元横綱・照ノ富士。1991年11月29日、モンゴル・ウランバートル市生まれ。34歳。鳥取城北高から入門し、11年技量審査場所で初土俵。15年夏場所の初優勝後に大関昇進も両膝のけがなどで序二段まで転落。21年名古屋場所後に第73代横綱に昇進。同8月に日本国籍を取得。幕内優勝10度。25年初場所で引退し、同6月に伊勢ケ浜親方を襲名して部屋を継承。 〇…錦富士も稽古後に取材に応じ、日本相撲協会の聴取への同行を認めた。聴取の内容については「じきに全部出る話ではあるけど、それを受けて(協会が)どう判断されるかというところ」と明言を避けた。関係者によると、暴力事案の当事者ではなく、事情を知る立場として聴取を受けたという。 ◆大相撲の主な暴行事案 ▽06年7月 幕内・露鵬が男性カメラマンに暴行して3日間の出場停止。 ▽07年6月 当時17歳の序ノ口力士が師匠・時津風親方(元小結・双津竜)や兄弟子3人から暴行を受けて死亡。4人は傷害致死容疑で逮捕され、協会を解雇。 ▽10年1月 横綱・朝青龍が優勝した初場所中に泥酔して知人男性を暴行した問題で、現役引退。 ▽17年10月 鳥取市内で幕内・貴ノ岩が横綱・日馬富士に頭部などを殴られ負傷し2場所連続休場。日馬富士は現役引退。 ▽18年3月 十両・貴公俊が春場所中の支度部屋で付け人に暴行。場所を休場して1場所の出場停止処分。 ▽22年12月 伊勢ケ浜部屋で幕下以下の力士2人がちゃんこをかけるなどの暴力があったと被害者親族の電話相談により判明。加害者の1人は引退し、報告を怠った師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)は協会の役職を2階級降格。 ▽23年5月 幕下以下の力士1人が22年末から昨年1月にかけ、兄弟子に顔面などへ暴力を繰り返し受けたことが発覚。力士は引退し、師匠の陸奥親方(元大関・霧島)は事業部長を辞任。 ▽24年2月 宮城野部屋の幕内・北青鵬が、同部屋の2力士に対し、顔面、背中及び睾丸(こうがん)への平手打ち。財布に瞬間接着剤を塗布し、損壊。殺虫剤スプレーに点火してバーナー状にした炎を体へ近付けるなどの行為を日常的に繰り返されてきたことが発覚。北青鵬は引退。監督責任などで、師匠(元横綱・白鵬)を委員から年寄への2階級降格と、3か月の20%報酬減額処分。部屋は一門の伊勢ケ浜部屋への預かりとなった。
報知新聞社
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