連日報じられる 物価高のニュース。その影響で、障害者の人たちにとって稼ぐことは、そう簡単ではない。物価高による障害者の“生き辛さと働く難しさ”について、『ABEMA Prime』では難病を患う当事者に話を聞いた。 【映像】難病の夫を支える妻、二人で寄り添う写真(顔出し)
■難病患者を襲う物価高
ヘルパーに抱えられ、電動車椅子に座る松元拓也さん(37)。筋肉が徐々に衰えていく難病「脊髄性筋萎縮症」を患っており、自由に体を動かすことができない。現在、動かすことができるのは右の親指と人差し指、そして左の人差し指、いずれも指先だけだ。「この黄色いレバーで前に行って下がって」と語る拓也さんは、指先だけで巧みに電動車椅子を操って移動している。 現在は訪問看護師の妻である祐香さんと娘の3人で暮らしているが、「全てが値上がりしているので、高いからやめとくかって思うことが増えた」と、買い控えが増えた現状を明かす。障害があるからこそ生活に受ける打撃は大きい。「電動車椅子を動かすにもバッテリーの充電に1日」、人工呼吸器を使っていると「5000円から1万円くらいは電気代が増える」と、具体的な負担の大きさを語る。 電気やガス料金から食料品、日用品に至るまで、様々なものが高騰する現代において、障害者にとっての物価高はさらに重くのしかかっている。重度障害ゆえの切実な事情はそれだけにとどまらない。 祐香さんが「もうプラスチックグローブ代は値上がってて…」と苦しさを吐露する。食事やトイレなど、身の回りの生活全般において24時間ヘルパーが付きっきりの拓也さんにとって、使い捨て手袋は絶対に欠かせない。しかし、その原料であるナフサが中東情勢の悪化によって影響を受け、いわゆる「ナフサショック」を引き起こした。その結果、手袋は不足し、価格も大幅に上昇している。 加えて、ガソリンの高騰も大打撃となっている。拓也さんは「ただでさえ介護タクシーは高くて使いにくいのに、そんなに使えない」といい、祐香さんも「ちょっとそこに行くだけで、交通費2万円かかる」と現状を訴える。元々、通常のタクシーの1.5倍から3倍とも言われる介護タクシーの料金だが、燃料費の高騰によってさらに値上がりしている。病院への通院や移動のために必須である介護タクシー代、そして電気代や手袋代は、障害者が生きていくために必要な、節約できないお金だ。
■「障害者が年金だけで1人暮らしは無理だ」
そんな中、実は拓也さんにはもう一つの顔がある。指先だけでパソコンを操作し、独学で動画制作の技術を習得した彼は、8年前に会社を設立した。現在は訪問看護や介護事業も展開し、社員24名を抱える社長として活躍している。「正直、障害者が年金だけで1人暮らしは無理だ。この金額だけでは生活できないので、自分で働いている」。 障害者の雇用については、「まだやっていないが、面接で意欲のある方はたくさんいる。やっぱり障害の具合や、程度で働くのが難しいことが多い。しかし、障害を持ってる方の状態に合わせて仕事を作っていくことができる」。 そして、「社会、会社側は(障害者が)働けると思っていない。まず、社会の意識を変えていくことをやっていきたい」との展望を述べた。 (『ABEMA Prime』より)
ABEMA TIMES編集部
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